2018年8月13日月曜日

第425回大阪眼科集談会 その2 (1088)


久しぶりに美味しい店を開拓。もうチョットだけ日本酒のチョイスが好みだったらなあ・・・


4,光干渉断層血管撮影によるポリープ状脈絡膜血管症の滲出再発予後の検討 横田開人 関西医大
再発したPCVOCTA所見を1ヶ月巻き戻して、再発の兆候がないか検討すると、一旦ほぼ完全に退縮した後に、再発前に微細毛細血管が出現して、その後ポリープ再形成。
最新鋭のOCTPLEX Elite 9000 Swept-Source OCT)を使えば、今まで見えなかった微細構造が見えるようになり、毛細血管型(39.8%)とループ型(60.2%)とか、HighFlow病巣(94.3%)とLowFlow病巣(5.7%)とか・・。ただ、この機種をもってしても、PCV滲出再発前の微細毛細血管の検出は容易ではないらしいが、今後再発予測への端緒が開けた?
※ありがちな、注射の成績じゃないのがいいね。

5,緑内障を合併した黄斑円孔術後にタフルプロスト使用し黄斑円孔が再開した1例 澤田朋代 関西医大
特に網膜を触るような(ERMMH)硝子体手術した後に、PG点眼を行えば、高頻度にCMEが生じることは常識だと思うのだが・・・。当院のような小さなクリニックでさえ、硝子体手術を行った後の眼圧上昇に対して、或いはもともと緑内障だったので術後にプロスタグランジン製剤点眼を入れた後、立派なCMEを来したことは何度かあります。せめて術後数ヶ月はPG製剤以外の眼圧下降剤をチョイスすべきかと。症例は、MHと言っても、眼軸30mm以上の高度近視にERMと緑内障があって、その後MHとなった症例だが、通常通り手術を行って、術後1ヶ月で少しCMEがあり、眼圧上昇したので、タプロス入れて、CMEが悪化してMH再発。タプロス中止して、CME治療後MH再閉鎖。

写真は、講演と関係ないが、ERMにビトしてもらって、1年数ヶ月経過したので、ラタノプロスト入れたら、こんな立派なCMEに・・・^^;

6,強皮症に合併した網膜中心静脈閉塞症の1例 照林優也 大阪医大
発症早期の強皮症(びまん皮膚硬化型全身性強皮症)に対しては、『(1)副腎皮質ステロイド少量内服(皮膚硬化に対して)、(2)シクロホスファミドパルス療法(肺線維症に対して)、(3)プロトンポンプ阻害薬(逆流性食道炎に対して)、(4ACE阻害薬(強皮症腎クリーゼに対して)、(5)ボセンタン、アンブリセンタン、シルデナフィル、タダラフィル(肺高血圧症に対して)』などが使われるらしい。この中のアンブリセンタンは、エンドセリンA受容体の選択的拮抗剤。今回症例は50歳女性で、アンブリセンタン中止、6ヶ月後にCRVO。関係あり?
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強皮症に続発した増殖性網膜症の1(原著論文/症例報告) 臨床眼科 (0370-5579)644 Page507-510(2010.04) これも大阪医大の論文。眼底はBRVO

7,多局所ERGで長期経過を追えたオカルト黄斑ジストロフィ(OMD)の1例 満岡友佑 大阪大
65歳男性。主訴は歪視と羞明。当初視力・視野ともほぼ問題ないが、OCTEZCOSTに乱れあり。ただ、多局所ERGnormal。その後視力の低下とともに、supernormal、その後subnormalに。

8,静的視野検査中の固視微動測定 石橋拓也 近大
imoは検査中の固視微動を測定できるらしい。で・・・?

9、新規緑内障患者に対するトラボプロスト点眼の使用経験 森下清文
緑内障患者の点眼治療のファーストチョイスは、PG製剤。何故今頃トラボ?BACを含まないトラボに魅力あり?

2018年8月9日木曜日

第425回大阪眼科集談会 その1 (1087)






医局にフレッシュな医師がたくさんいた頃、中途半端な発表が数多く行われ、諸先輩の厳しい質疑の洗礼を受け、演題で立ち往生するのが集談会の面白さだったのだが、臨床システムの改悪後、研修医はどこへ行ったのか知らないが、演題は少なくなってしまった。昔の半分ぐらいなのかも・・。そのかわり特別講演があるので、聴講だけを考えたら、この方がいいのかもしれないが、何となく寂しい感じがする。

425回大阪眼科集談会
1,全身麻酔後に眼窩内骨膜下血腫を認めた1例 野間沙樹 大阪市大 
25歳女性の子宮頸管縫着術後の全麻終了(抜管)時に激しい咳嗽があり、両眼眼瞼浮腫・結膜下出血・眼球突出、右眼視神経乳頭上方に出血。眼圧24/18、ヘルテル19/19MRIすると、左眼窩上壁に骨膜下血腫。視力・眼圧は問題ない。血腫増大を危惧して、視神経保護目的で、ステロイドパルス3日、グリセオール400点滴も3日・・
※眼窩内静脈瘤も疑われたが否定。
※両)眼窩内圧上昇⇒左)眼窩内骨膜下血腫?チョット論文検索すると、絞頸でも生じているようなので、抜管時の激しい咳嗽で一過性の眼窩内圧上昇でもあり??いわゆるバルサルバ法による静脈圧上昇の結果の血腫?
『絞頸により眼窩内骨膜下血腫を認めた 例』の中では、『充血性で頭蓋内圧の急激な上昇により眼窩内骨膜下の血管の破綻をきたし,前頭骨と眼窩骨膜の組織が脆弱な部分に血腫を形成することで起こる.バルサルバ法やスキューバダイビング後,縊頸後に認めた報告があるがその報告数は少なく,症状が乏しく見逃されている可能性がある.』と記載されていて、これに似ている気がするが・・
※血腫ができた後は、orbital compartment syndrome。急激な眼窩内圧が上昇して、緊急減圧しないと、眼球に不可逆的なダメージが生じる事態。今回はそれほどでもない・・?


2,圧迫性視神経症をきたした眼窩内diffuse large B-cell lymphoma2例 渡邊敦士 大阪大

眼窩腫瘍全体の1015%がリンパ腫で、眼窩内悪性腫瘍の中で最も多い。その殆どが非ホジキンB細胞リンパ腫で最も多い。その6割がMALTリンパ腫(低悪性度)で、ついで多いのが3割ほどを占めるびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL急速に増大することがあるらしく、提示症例のような圧迫性視神経症のリスクあり。こんなのもorbital compartment syndrome
症例1は、67歳男性で、右眼視力低下・右外眼筋腫脹、ステロイド点滴・内服で視力改善。
症例2は70歳男性で、左眼視力低下、白内障手術で改善しないで、鼻性視神経が疑われたが、眼窩尖端部に腫瘤。DLBCLの診断がついて化学療法行い視力改善。

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急性増悪をきたした眼窩びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の三症例、村重高志
眼科臨床紀要 (1882-5176) 96 Page489-493(2016.06)
背景:眼窩におけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL) の報告は多くないため、3例の治療経過を報告する。症例:症例182歳の女性、症例282歳の男性で、病理組織学的所見と全身検索から両症例とも右眼窩原発DLBCLと診断した。症例373歳の男性で、DLBCLの既往があったため、両眼窩に再発したDLBCLと診断した。症例1は治療前に腫瘍の急速な増大により失明に至った。全ての症例において免疫染色でCD20の陽性所見を認めたため、rituximabを中心とした化学療法を施行したところ、症例12では腫瘍は消失し、症例3では腫瘍は縮小した。結論:眼窩DLBCLは急速に進行し眼球圧迫により失明の危険性が生じるため、迅速な病理組織診断とその結果に基づいたrituximab併用化学療法を行う必要がある。
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3,ステロイドパルス療法を行った、巨大な脈絡膜肉芽腫の1例 小林崇俊 大阪医大
41歳男性。左眼黄斑部に10DD以上の径の黄色斑。脈絡膜の腫瘤だけでなく、網膜下にも・・。多数のリンパ節腫大があり、生検してサルコイドーシスの診断確定。ステロイドパルスや内服で改善。視力も(0.04)⇒(0.9)まで改善。※網膜下の所見は網膜色素上皮過形成後の線維化。
OCT所見:『比較的均一な低輝度の脈絡膜内占拠性病変を認め,それは脈絡膜内に存在し強膜·網膜には浸潤する像を認めない病変として観察された』 このケースでは、STTAで治癒。

2018年8月7日火曜日

第7回守口オフサルミックフォーラム その3 (1086)



連日、35度を越える日々が続いている。最低気温も25度を下回らない。最高気温が35度以下だとしのぎやすく感じたり、朝26度だと爽やかに感じるのは、環境に順応したせいなのか、人間ができてきた為なのか・・・。本気で秋風が恋しくなってきた。


特別講演
ぶどう膜炎診療のキモ~ぶどう膜炎非専門医からよくきかれること~ 臼井嘉彦
2001年東京医大卒

最近色々物議を醸している大学の先生。かばうわけじゃないけど、悪いのは低俗な文科省の役人だろう。握った許認可権をふりまわした小役人に従うしかない私立医科大学って構図にしか見えない。メディアには、私立医大バッシングする前に、文科省の解体を迫ってほしい。また今回の1件の黒幕と言われているのが立憲民主のY。こいつも眼科医らしい・・・・。だが、当然そんな事には触れられる訳もなく・・・・・講演開始。少しぐらいいじってあげたほうが大阪らしい歓待なのに・・・^^; 
ただ、開業医を20年もしていると、この手の話は身にしみる・・。若干アホにもわかるように話していただき嬉しい。

ぶどう膜炎と言っても、ありふれたものから稀なものまで、ざっと35種類以上もある。非感染性感染性があり、後者を見逃さないことが重要。講演は若い医師との対話形式で。

東京医大はぶどう膜炎外来担当医師が14人も・・(凄い人数・・)。そんな外来での会話の中から・・?
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11歳ぶどう膜炎、リンデロン点眼、なかなかcellが消えない。いつまで継続する・・?⇒特に子供においては、cell+1程度なら点眼を中止していい。続発緑内障・併発白内障の方がずっと怖い。フルメトロンはあまり意味ないというか、その程度でいいのなら、しなくても大丈夫だと。
11歳女性 iridcylitis in young girlcell+1、中間部ぶどう膜炎。ステロイド、レミケードで当然良くなるのだが、副作用の方が怖いので、治療せずに経過を見ることも多い。
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硝子体術者から紹介。高齢のぶどう膜炎でERM(+)。手術したい・・・⇒やってもいいけど、ERMと硝子体を病理組織に出して、サルコイドーシスかどうかを診断確定する事が重要。そして難病申請することが重要。
(※このあたりの話が、ぶどう膜炎の専門家らしい。『難病医療費助成制度』という制度があり、高額な医療の継続が必要な場合、助成をうけることができます。したがって、その可能性のある場合は、最初に申請しておくことが重要となります。http://budoumakuen.com/treatment/subsidy2.html )

63歳女性。ブサッカ結節、ERM(+)ACE29.7あるが、BHL(-)で、右脚ブロックのみ。このままだとサルコイドーシスと診断できず、原因不明のぶどう膜炎になる。手術してERM・硝子体(スノーボールや希釈液を集める)から壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明されて、サルコイドーシスの診断が確定すると、難病申請も通る。現実は一旦良くなっても、再燃して、ステロイドを長期投与することになることも多いが。
※アクネ菌の関与も言われていて、エリスロマイシン長期投与していることもある。女性に多い(90%)
http://www.tmd.ac.jp/press-archive/20120521/index.html 
ERMをつくるぶどう膜炎は?サルコイドーシス・眼トキソプラズマ・原因不明肉芽腫性ぶどう膜炎など、サルコイドーシスに近いものは、ERM多い。逆にERMがあれば、こういった疾患を想定すべき。
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56歳女性の緑内障急性発作眼。白内障手術する予定だが、眼底見えないけどいいの?⇒実は原田病でSRD(+)。ちゃんと眼底見ないと・・。緑内障発作の原因は毛様体脈絡剥離。
34歳女性。視力低下・充血・前房細胞(+)両眼の視神経乳頭発赤・・原田病疑い⇒ベーチェットだった。サルコイドーシス・梅毒も考慮。ステロイドしていたら大変。
49歳女性。左眼にのみSRD(+)。ただ脈絡膜肥厚(-)。原田病で紹介。⇒高血圧網膜症だった・・。
※原田病の症状の特徴:櫛を通した時の違和感。
ぶどう膜炎ステロイド内服で改善するが、20mgぐらいまで減量すると再燃。どうしましょう?⇒ベーチェットの可能性は?
63歳男性ステロイドパルス2クール。20mgまで減量したが再発。すでに満月様顔貌。すでに視力は手動弁。白内障・硝子体混濁(+) ⇒ 多分ベーチェット。硝子体手術して、眼底をしっかりみて、FAもしてベーチェットと確定し、その後難病申請も通り、レミケードで沈静化。よく効く!※眼底だけ見てもわかりにくいこともあるが、FAするとよく分かる。そのためにも、手術が必要。
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25歳男性、ベーチェット。主訴:なんか見にくい。痩せ型・ヘビースモーカー。
20歳女性、梅毒。主訴:なんか見にくい。皮膚にバラ疹。ともに、眼底一見正常だが、FAするとベーチェット・梅毒ともによく分かる。
23歳男性、前房に細胞(+)。眼底異常(-)?でも手動弁しかない。FAすると明らか。動脈静脈にも炎症。バラ疹(+)。⇒梅毒の眼底所見は、一見そんなに悪くない感じだが、FAだと強い変化。動脈にも炎症がくるのは、他にはあまりない(ARNぐらい・・)。黄斑部に円板状病巣も(その昔、Tヤンが報告してたなあ・・)。
急性梅毒性後部円板状網脈絡膜炎の2症例(会議録/症例報告) 谷口典子(関西医大),  眼科臨床医報 (0386-9601)9011 Page1494-1495(1996.11)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――KP(+)、眼圧上昇していたが、散瞳しなかった⇒××。隅角して散瞳は必須。この患者は、ARNだった。最初、周辺部に滲出性変化が出るので散瞳は必須。ARNは予後不良と言われているが、1週間以内にACV・ステロイド開始したら、意外と予後いい。初発症状は、充血。この段階で、散瞳すれば早期診断可能だが・・・。(だだ、開業して20年も経過するが、ARNに遭遇したのは2例のみ。この間、どれほどの主訴充血患者を見たことだろうか。全員散瞳すべき?恩師は眼圧上昇に注意と言っていたような・)
 1週以内に(ウイルス量が多くない時期に)治療開始できれば、意外と予後いいのだが、そうでないケースの方がずっと多い(70%ほど)。進行例のビト。PEA+IOL+エンサークリング・SO。硝子体皮質のきっちり取る事が非常に重要。術後増殖性変化は、長期に続くので、エンサークリング必要。

ぶどう膜炎の白内障手術
①診断確定後に手術しましょう。⇒べーチェット:ステロイド緑内障があるので結膜温存、原田病:羞明強いので着色IOLCMV:内皮少ないので注意。サルコイドーシス・ARN:瞳孔管理が重要。癒着したら絶対外れない。
②炎症の程度によっては手術中止の可能性に言及
③ステロイドしっかり入れて、十分消炎した後手術へ。※レミケードは効果でるのに1ヶ月だが、早くしたいならステロイド。
22男性。MH+ぶどう膜炎。まずレミケード入れて、これだけでかなり視力改善。1年ぐらいしてから手術。
④術野確保。様々な瞳孔後癒着。縮瞳したほぼ全周癒着の瞳孔をみたらほぼ遷延型原田病かサルコイドーシス。単純な虹彩後癒着なら鈍針で簡単に外せる・・・。その後ブリリアントGで染めてCCC(セッシで)。大きいCCCを。術後収縮するので・・。結膜温存したいので角膜切開。術後はステロイド(マキュエイド硝子体注・リンデロン結膜下)。
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69歳男性 KP(+)と網膜壊死?と診断して入院。ステロイド40mgで良くなるが、減量すると改善。ステロイドに反応して、少し改善するので診断が遅れたが、トキソプラズマ。※患者はヤギの生肉をよく食べる沖縄の人。
※先天性瘢痕病巣の横に再発新鮮病巣。白色病変、FAで黒く抜ける。
治療は、アセチルスピラマイシン(あまり効かない)、クリンダマイシン(ダラシン)・ST合剤(バクタ)+ステロイド
白色病変のDD:トキソプラズマ・眼内リンパ腫・MPPECMV網膜炎(with 出血)
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ツ反強陽性、クオンティフェロン陽性のぶどう膜炎。結核らしい。何故か眼内液採取していて、何もでない・・・⇒結核・梅毒・トキソカラは出ない。結核はツ反、クオンティフェロンで、梅毒はTPLA。トキソカラは、トキソカラチェック、眼内液からの好酸球で診断。結核菌は眼内にいないが、全身にはいるので抗結核薬(EB抜いて)投与。眼トキソカラも、排泄物抗原に対するアレルギー反応で、眼内にはトキソカラいない。眼はステロイドで、全身のどこかにいるトキソカラにスパトニン。
これらの疾患は、眼内で起こっているのは、アレルギー反応であって、病原体そのものは眼内にいない。
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研修医がAAUを診た?フィブリン・前房蓄膿の患者さんを点眼出して、予約したと・・・。76歳女性?実は内因性眼内炎。この疾患のAAUやベーチェットとの誤診率は高い。AAUと眼内炎は年齢が異なるAAUは若い。76歳は考えにくい。内因性眼内炎:CRP・赤沈高い。AAU迷ったら、開業医なら毎日でも1日2回でも診て判断すべき。
更に、ほぼ失明確実なのに、何故手術するのか。意味があるのか?⇒手術すれば、細菌も残渣もなくなり、光覚(-)のままだが、痛みもなく、眼球は温存できる。手術しなければ、死んだ細胞に対する炎症継続して、眼痛も続き、最終的に眼球摘出に。つまり、失明確実でも手術適応あり。 
※眼内炎?高齢・片眼・充血強い。白内障術後眼内炎?現実は、水晶体過敏性眼内炎。認知症で白内障手術していない。角膜が非常にキレイなのがポイント。
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ぶどう膜炎の黄斑浮腫治療は?
①ステロイド・NSAID点眼 
②テノン嚢下注(マキュエイド) 
③ステロイド内服 
④ビト 
CAI・マキュエイド硝注・抗体VEGF(保険適応外) 
⑥抗TNFα 
※一応この順番で行っているが、高齢者なら、③飛ばして④もあり)
72歳男性。原因不明ぶどう膜炎の黄斑浮腫。一応まず点眼、マキュエイドSTTA、ステロイド内服、硝子体手術しても治らないので、紹介。マキュエイド硝注有効だが、数ヶ月で再発する。アダリムマブ入れると徐々に改善。
黄斑浮腫が多いのは、ベーチェット15%、糖尿病虹彩炎15%、結核10.7%、肉芽腫性ぶどう膜炎・・・。最も多いベーチェットにレミケードは60%有効。特に早期だとよく効く。
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専門病院へ送るべきぶどう膜炎は⇒眼底に異常がある。再発する。合併症がある。そして高齢者・・
緊急性の高いぶどう膜炎は⇒細菌性眼内炎・ARN・真菌性眼内炎・トキソプラズマ・トキソカラ・・・・



質疑
1,マイボーム腺角膜上皮症に豚脂様KPPアクネと関連するサルコイドーシス?
サルコイドーシスとPアクネスとの関連は?
涙腺炎・ドライアイ・マイボーム腺もダメージ(+)。関連あるかも・・。ただ霰粒腫はない?
サルコイドーシスの一部にPアクネ関連あり。Pアクネ類似細菌も関与かも・・
Pアクネの除菌をしてもいいのかも?
2,78歳女性の梅毒
どうして感染?一般論だが、若々しい人が多い。お盛んな人が多い?
3,サルコイドーシスに対する黄斑浮腫。基本的には、①ステロイド・NSAID点眼 ②マキュエイドSTTA ③ステロイド内服 ④ビト ⑤CAI・マキュエイド硝注・抗体VEGF(保険適応外) ⑥抗TNFα 
※レミケードよりもビトが先?高齢者には、内服避けたいので、ステロイド内服に先行してビトすることも。若い人なら、当然ビトは簡単にはできない。

4,ビトして、サルコイドーシスなら非乾酪性類上皮細胞肉芽腫などを検出する為には、術前の投薬(ステロイド内服・注射)を控えて、寝かせる?数ヶ月。病巣を少し大きくしておいて、ビトへ。snow ballをを必ず取って・・

2018年8月2日木曜日

第36回大阪市眼科研究会 その3 (1085)






特別講演
近視の発生機序~最近の知見と病態考察 本田茂 大阪市大教授

1,近視の基礎知識 2,近視の遺伝因子 3,近視の環境因子

近視とは・・・定義:平行光線が調節力(-)で網膜手前に焦点を結ぶ(焦点距離<眼軸長)。頻度は?文科省の裸眼視力<0.3の学生の頻度(恐らくこの多くが近視と思われるので代用)
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     1979   2010
小学生 2.7  7.6
中学生 13.1 22.3
高校生 26.3 25.9
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つまり、小中学生の近視頻度は確実に増加している。これは日本だけでなくアジア全体で増加している。これは遺伝?環境?(遺伝的要因だけで、こんなに増加することはありえないはず・・)

近視の分類 (庄司の分類) 
① 弱度近視;-3.0D以下の近視
② 中等度近視;-3.0Dを超え-6.0D以下の近視
③ 強度近視;-6.0Dを超え-10.0D以下の近視
④ 最強度近視;-10.0Dを超え-15.0D以下の近視
⑤ 極度近視;-15.0Dを超える近視

予後による分類 
①単純近視 vs ②病的近視( with CRA、分離症、MHMHRDCNV・・・)
※固定内斜視:眼が大きすぎて動けなくなる⇒横山法(横山連先生)
※屈折度数を決める要素は・・角膜曲率・前房深度・水晶体厚・眼軸長・硝子体長

メカニズムからの分類
調節性近視(仮性近視) vs 軸性近視(殆どの近視)
※演者は(私も)仮性近視なんか殆ど見たことないと。定義上存在するだけ。

近視の発生には、遺伝因子と環境要因(近業・光環境(視環境))がある。民族によって異なり、アジア人に多くて、欧米人に少ない(遺伝要因あり)。遺伝が関与しているのは、①角膜曲率 ②水晶体後面のR ③眼軸長・・・だと。(※関連が疑われる遺伝子は、18番短・12番長・7番長・17番長・・・)

強度近視のゲノムワイド関連解析:GWAS
ゲノムワイド関連解析(GWAS)とは、GWASは遺伝的多様性を代表するSNPを位置マーカーとして用い、特定の病気と連動する(例えば非患者群よりも患者群で有意に高頻度に認められる)SNPを見つけ出して、その近傍に存在すると推測される感受性遺伝子をリスト化していきます。複数の感受性遺伝子を原因とする病気の場合、相当数の遺伝子の作用が累積することで、それなりの大きさの発症リスクをもたらすと考えられています。こうした遺伝因子の同定により、病気発症のメカニズムの解明や予防、リスクに応じた適切な治療方法の選択が可能となり、さらには新規の治療法開発につながることが期待されています。』
これにより、近視に関連する遺伝子を見つけてくる・・・・・・BLID遺伝子(京大・中西)

強度近視と近視性黄斑症のGWAS
CCDC102B confers risk of low vision and blindness in high myopia. Hosoda Y Nat Commun. 2018 May 3;9(1):1782. ⇒ 『8913人の日本人データと331人のアジア人データを解析することによって、近視性黄斑症の発症にCCDC102Bという遺伝子・分子が強く関与していることを発見』。高度近視による合併症の予防への可能性が出てきた?
・・・・
ただ、遺伝子に関する研究は、まだまだ研究途上・・・


近視の環境要因
1,眼軸長理論成長曲線と実際の成長曲線の違い:遺伝子のみで制御されているとした時の理論成長曲線と実際の成長曲線は異なる。
2,この30年間の近視頻度の増加は、遺伝要因のみでは説明できない。
3,多治見スタデイ:近視41.8(高度近視8.2)、遠視27.9、不同視15.1(遺伝要因で説明不可能)
4,優位眼と近視性不同視。優位眼の方が近視強い
⇒ 遺伝要因だけでは説明できない多くの要因が存在する。
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※優位眼≒利き目(⇒ ローゼンバッハ法の紹介。私は右でした。) 
現代のヒトにおいては、右手90% (右足80右眼70、右耳60)なのだが、これが5000年前は右が90% ⇒ 200250万年前は右が59% ⇒ サル・チンパンジーは右が50%だったらしい。言語野は脳の左側で、左脳の発達とともに利き目が右になった?(※利き手に関するGWASPCSK6
閑話休題。再び環境要因の話へ。

近視の環境要因
毛様体緊張:持続的近業・ストレス(中枢因子)⇒副交感神経亢進
眼軸の延長:網膜像のボケ・調節ラグ(局所因子)⇒網膜像ボケ(遠視性)
COMETスタデイ:二重焦点眼鏡(+2.0D)使用すると、効果あったが弱い。(※調節ラグ大きい人には効果あったらしい。)

焦点ズレをどうやって認識しているのか?オートフォーカスカメラの場合
コントラスト検出方式(安いカメラ) VS 位相差検出方式(高級カメラ)
⇒人の眼の場合は?

眼の調節機能
色収差仮説:赤(あまり屈折しない)と青(大きく屈折)、焦点距離が異なる。網膜面での赤の焦点エリアと青の焦点エリアが異なる?遠視性焦点ずれが異なる。副交感神経刺激に・・・?

2つの実験近視モデル
形態覚遮断近視モデル(白内障のような・・・):Form-deprived myopia FDM
屈折負荷モデル(凹レンズ、遠視性焦点ズレ):Lens-induced myopia (LIM
(恐らく基本的には今後のモデルはLIM
⇒ 網膜内物質代謝に関与

照明の関与
暗黒で寝ると近視になりにくい。薄明かりだと近視になりやすい。明るい方が眼軸伸びる。
※明るい所で寝ている時、瞼閉じているが、ぼやけて見ている感じで、形態遮断モデルのように近視になる?
※戸外活動:近視になりにくい。明るい光を浴びているが・・・?

レンズ誘発近視と形態覚遮断の発生メカニズムは同じ?
形態覚遮断:全体的にぼやける。 ⇒網膜内遺伝子発現変化
レンズ誘発近視:全体的ではないボケ ⇒網膜内タンパク発現量変化(Wu Y

副交感神経切除
形態覚遮断は大きく影響うけるが、キャンセルされてしまう。レンズ誘発モデルは影響うけず近視化する。つまり、形態覚遮断近視(局所因子<中枢因子) vs レンズ誘発近視(局所因子>中枢因子)
※近視進行の実際は、レンズ誘発近視が問題になるので、局所因子にフォーカスを当てましょう。

光⇒杆体・錐体⇒on双極細胞と伝達されるが、これをノックアウトすると? 『杆体細胞は暗所において光を検知する感度が高く、錐体細胞は明所において光と色彩を識別し、人の視覚は主に錐体細胞が担っている。』で、杆体・錐体ダブルノックアウトで眼軸は更に延長するが、杆体のみノックアウトでは、眼軸は伸びない。錐体の存在が近視抑制に働いている?

錐体の種類:L赤錐体/ M緑錐体/S青錐体 分布は、
一型色覚異常は、赤錐体(-)で眼軸短い(近視少ない)。二型色覚異常は、緑錐体(-)で眼軸は?(有意差なし)。Enhanced S-Cone Syndrome(錐体の90%が青という遺伝病)は、すべての患者が遠視(眼軸短い)。つまり、赤錐体がないか少ないと眼軸は伸びない?また、眼軸長制御モデルでは、青色⇒近視化抑制、赤色⇒近視化促進、白色⇒近視化抑制
※実験モデルで、白色光では光強いほど、近視抑制。青い光なら更に近視抑制。赤い光は逆に眼軸が伸びる。白色光では、『青錐体の活動性>赤錐体の活動性』

色収差の眼軸長調節機構仮説:色収差の為、赤(あまり屈折しない)と青(大きく屈折)、焦点距離が異なる。赤い成分がより後ろの方向へ。遠視性デフォーカスの場合、網膜面での赤の焦点エリアと青の焦点エリアが異なり、赤の照射エリアの方が広い。中心窩には、青錐体(-)赤錐体が優位なシグナルとなる。これが眼軸延長シグナルに関わっているのでは?


アセチルコリン系 VS  ドーパミン系
(赤・緑錐体)     (青錐体)
形態覚遮断近視:アセチルコリン発現量増加していない(ムスカリン受容体発現量→)。ドーパミン系発現量は抑制(+)。モデルによっては、ムスカリン受容体発現量増加?

臨床の近視治療として、
1,ドーパミン系促進薬 2,アセチルコリン系抑制薬 3,青色光入射促す 4,赤色光遮断する。
⇒この中では可能なのは?ブロッカーは?ムスカリン受容体ノックアウトマウスの実験では、M1、M4 阻害がいい?実験ではかなりバラツキあり、ムスカリンの特異的なブロックは問題で、非特異的ブロックのアトロピンをすることが妥当。ATOMスタデイが非常に有効だった。COMET14%なのに、こちらは60%近く抑制。ただし、リバウンド(+)ATOM2スタデイ0.01%アトロピンでも有効で、こちらはリバウンド少ない。現在日本でも治験中。
※勝手にしている人はご注意を・・・


バイオレットライト
紫外線カットコンタクトレンズを用いたスタデイ。部分的紫外線カットするコンタクトレンズ用いて・・
紫外線カット(+) 近視進行(眼軸伸びる) vs 紫外線カット(-) 近視抑制(眼軸伸びない)
UV浴びた方がいい?(Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression. Torii H,  EBioMedicine. 2017 Feb;15:210-219. )

仮説
錐体細胞の活性変化 ⇒ コリン系・ドーパミン系神経伝達の綱引き ⇒ 網膜色素上皮・脈絡膜・強膜
※コラーゲン・線維芽細胞・脈絡膜血流・成長因子・・を介して。

後部ブドウ腫は何故?錐体細胞分布は、中心窩から20°付近まで。杆体細胞は中心窩近くに密度高い。周辺密度低下・・。錐体細胞関連の物質の変化が密度の高いところで。脈絡膜血流低下、眼軸長を伸ばすような物質が後極部に溜まって、ぶどう腫の発生・・・?

第425回大阪眼科集談会 その2 (1088)

久しぶりに美味しい店を開拓。もうチョットだけ日本酒のチョイスが好みだったらなあ・・・ 4,光干渉断層血管撮影によるポリープ状脈絡膜血管症の滲出再発予後の検討 横田開人 関西医大 再発した PCV の OCTA 所見を 1 ヶ月巻き戻して、再発の兆候がないか...